ジェル開発ストーリー Vol.6

中身だけじゃない、容器だって妥協なし! ~“欲しい”と思える一つに出会うまで~

美容ジェルの試作が少しずつ進み始めた頃、
もう一つ、実は水面下で取り組んでいた大事なテーマがありました。

それが――容器選びです。

中身のクオリティはもちろん妥協したくないけれど、
手に取ったときの“ときめき”や“使い心地”に直結するのが、実は容器なんです。


💰容器って意外とコストがかかるんです

化粧品の世界では、中身だけでなく容器代も意外と高額
特に私のように少量ロットでスタートする場合は、容器が製品価格に大きく影響します。

昔、特許庁に勤めていた時に
化粧品の特許審査をしている同期の子から聞いた話
「高級化粧品は、中身の成分はドラッグストアの化粧品とほぼ変わらないけど
容器代の方が高いから高級化粧品になっている」
って。

当時は「ほんとに~?!」なんて思ってたけど
それも今なら納得するかもしれない。
容器はこだわればこだわるほど、中身以上に高くつきますね💦

「オリジナル感」を出そうと印刷やカラーリングを加えると、
最低1000個〜3000個のロットが必要なんてザラ…。

さすがに、最初からその数は難しい。
そこで、まずは既製品で100個から対応できる容器を探すことにしました。


📦候補にあがった容器たち

エアレスボトル
→ 空気に触れないから衛生的&鮮度キープ。ただし…
 ・ポンプの故障が多い
 ・最後まで中身が出ない
 ・高コスト
というトリプルリスクがあり、見送り。

チューブタイプ
→ 軽くてコストも抑えられる。でも見た目がどうしても安っぽくなってしまい、
 持っていて「アガル」感じがしない。これも却下。

クリームジャー
→ 壊れにくく、開けやすくて使いやすい。
 見た目・機能・コストのバランスが◎!
 ということで、このタイプが最有力候補に。


📏どのサイズがベスト?80mlか100mlか

最初は「たっぷり使える方がいいかも」と思って100mlサイズで探し始めたのですが、
実はここでも迷いが…。

「1回に塗るジェルの量って何グラム?」
とふと疑問に思い、0.1gまで測れる秤を購入!

ジェルをスパチュラでひとすくいして重さを測り、
実際に顔と首に塗って実験してみました。

その結果、毎日しっかり使っても約1ヶ月で使い切れる量=80mlがちょうど良いのでは?
という結論に。


ここから始まる、容器探しの長い旅…

さて、いざ80mlのクリームジャーで探そう!となったものの…

小ロット対応の国産容器は選択肢が本当に少ない…!

その中でも、

  • 安っぽく見えない
  • ちゃんと可愛い
  • 「これなら欲しい!」と思える見た目

の条件を満たすものは、なかなか見つかりませんでした。


Alibabaでも探してみた

国内にいいのが無いなら…とAlibabaなどの海外サイトも片っ端からチェック。
バリエーション豊富で、見た目もおしゃれ!しかもコストも安い!

これはアリかも?と思ってサンプルを取り寄せたのですが…

  • 質感が安っぽい
  • フタの締まりが甘い
  • サイズ感や色味が実物と違う
  • 精度が甘くてラベルが貼りにくそう

など、実際に手にしてみると「これはちょっと…」というものが多く、結局見送りに。

OEM会社の担当さんにも
「やっぱり国産の方が安心ですよ」
と言われ、ここは無理せず
原点に戻って国内メーカーに絞って探すことに。

Alibabaに費やした時間とお金・・・なかなかのものですが
やめるという結論を出すためには大事なこと!(と自分に言い聞かせる)


空容器だらけの我が家(笑)

サンプルを取り寄せまくった結果、家の中には“ボツ容器”が山のように…!

しかもネットの画像では良く見えても、
実物は「えっこれ…?」ということも多く、ガッカリも数知れず。

ついには、実際の容器メーカーのショールームにも足を運び、
ようやく「これなら!」と思える容器に出会えたのです。


長い旅路のゴールが見えてきた

最終的に、

  • 国産
  • 80mlのクリームジャー
  • シンプルだけど高級感もあるデザイン
  • 小ロットOK

という条件を満たすものに出会えて、今はほっとしています。

ここに、どんなラベルを貼るか
外箱を付けるか、簡易包装にするか
まだまだ考えることはたくさんありますが…

少しずつ、少しずつ、形になっていくのが楽しい!

ボツ容器たちも、きっと無駄じゃなかった…(はず)


次回は、ラベル&パッケージデザインのお話かも?
お楽しみに✨